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update:2007.10.10 担当:中根 大輔
晋書巻四十九
列伝第十九
畢卓
人物簡介

 畢卓(生没年不詳)は字を茂世といい、新蔡郡鮦陽県の人である。畢諶の子。官吏としては功績がなかったが、本列伝に記載されている隣の酒を盗み飲みしたことと酒の船に乗りたいといったことの二つの事跡で歴史に名を残した人物。後世酒飲みの例としてよく詩文に引用された。平南将軍の温嶠の長史となり、在官中に卒した。

本文

畢卓字茂世,新蔡鮦陽人也。父諶,中書郎。卓少希放達,爲胡毋輔之所知。太興末,爲吏部郎,常飲酒廢職。比舍郎釀熟,卓因醉夜至其甕間盜飲之,爲掌酒者所縛,明旦視之,乃畢吏部也,遽釋其縛。卓遂引主人宴於甕側,致醉而去。

畢卓は字を茂世といい、新蔡郡鮦陽県の人である。父の畢諶は中書郎であった(1)。畢卓は若い頃から心の思いのままに生き、ものにこだわらない生き方をしようと望んでおり、〔その生き方を〕胡毋輔之に認められた。太興年間の末、吏部郎となった。常に酒を飲んで仕事をしなかった。隣の男のこしらえたどぶろくが発酵して熟した。畢卓は酔っぱらって、夜になってから隣の家のどぶろくの酒かめの間に入りこみ、盗み飲みをやって、酒の管理人に縛られてしまった。あくる朝になって酒泥棒をみてみると、なんとまあ畢吏部どのであったので、あわてて縛を解いた。畢卓はあろうことか主人と酒がめの側で宴会を始め、酔っ払ってから帰った。(2)

卓嘗謂人曰:「得酒滿數百斛船,四時甘味置兩頭,右手持酒杯,左手持蟹螯,拍浮酒船中,便足了一生矣。」及過江,爲温嶠平南長史,卒官。

畢卓はかつて人に語ったことがある。「酒を得て数百斛の船に満たし、四季折々の旨いものを頭の両側に置いて、右手に酒の杯を持ち、左手にカニのはさみを持って、手足をばたつかせながら(3)酒の船の中を泳いでおれば、一生満足して送れるなあ」と(4)。東晋が成立すると、畢卓は平南将軍温嶠の長史となった。その官のまま卒した

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