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update:2021.02.06 担当:永一 直人
晋書巻九十六
列伝第六十六
愍懐太子妃王氏
人物簡介

愍懐太子の妃の王氏(?〜311)は字を恵風といい、琅邪郡臨沂県の人である。太尉の王衍のむすめ。貞淑で折り目正しい志をもっていた。愍懐太子の妃となったが、元康九年(299)に愍懐太子が皇太子を廃位されて庶人になると、父によって離婚させられた。永嘉五年(311)に洛陽が陥落すると、劉曜の将軍の喬属から結婚を迫られたが、剣を抜いて拒絶したので、喬属に殺された。

本文

愍懐太子(司馬遹)の妃の王氏は、太尉の王衍のむすめであり、字を恵風といった。貞淑で折り目正しい志をもっていた。太子が廃されて金墉城にうつされたので、王衍は離婚を願い出た。王恵風は号泣したが実家に帰され、帰路を行くのに涙を流した。劉曜が洛陽を陥落させると(311)、王恵風をその将軍の喬属に賜ったので、喬属は彼女をめとろうとした。王恵風は剣を抜いて喬属を遠ざけて、「わたしは太尉公のむすめで、皇太子妃だ。反逆者の胡族に辱められるような不義をなすものか」といった。喬属はかくして彼女を殺してしまった。

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