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update:2021.02.12 担当:永一 直人
晋書巻九十六
列伝第六十六
梁緯妻辛氏
人物簡介

梁緯の妻の辛氏(?〜316)は隴西郡狄道県の人である。ことのほか美貌であった。建興四年(316)、梁緯が劉曜に殺され、長安が陥落すると、劉曜の妻にされそうになるが、地に突っ伏して号泣を止めなかったので、劉曜から貞婦と認められ、身の処し方を任せられた。そこで自殺し、劉曜から礼をもって葬られた。

本文

梁緯の妻の辛氏は、隴西郡狄道県の人である。梁緯が散騎常侍になると、西都(長安)が陥落し(316)、劉曜に殺された。辛氏がことのほか美貌であったので、劉曜は彼女をめとろうとした。辛氏は地に突っ伏して大いに泣き、顔を見上げて「男は正義感の強いこと、女は再婚しないことと、わたしは聞いています。わたしの夫はすでに死に、ひとり命を全うする道理がありません。そのうえ婦人を再び辱め、殿はまたどうして用いようとされるのですか!いますぐにでも死んで、舅や姑に仕えさせていただきたくお願いします」と劉曜にいった。そのまま号泣してやまなかった。劉曜は「貞婦である。身の処し方は任そう」といった。そこで自ら首をくくって死んだ。劉曜は彼女を礼をもって葬った。

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