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update:2021.04.11 担当:永一 直人
晋書巻九十六
列伝第六十六
苻登妻毛氏
人物簡介

苻登の妻の毛氏(?〜389)は、どこの出身の人か知られていない。意気盛んで勇ましく騎射をよくした。太元十四年(389)、苻登が姚萇に襲われると、弓を引きしぼって馬にまたがり、数百人を率いて姚萇と交戦して、おびただしい人々を殺傷したが、姚萇に捕らえられた。姚萇の後宮に納められそうになったので、姚萇をののしって殺された。

本文

苻登の妻の毛氏は、どこの出身の人か知られていない。意気盛んで勇ましく騎射をよくした。苻登が姚萇に襲われて、とりではすでに陥落したのに、毛氏はなお弓を引きしぼって馬にまたがり、数百人を率いて姚萇と交戦して、おびただしい人々を殺傷した。しかし衆寡敵せず、姚萇に捕らえられた。姚萇が彼女を後宮に納めようとしたので、毛氏はののしって「わたしは天子の后だ。どうして賊の羌に辱められたりしようか。なんで早くわたしを殺さないか!」といった。そこで天を仰いで大声で泣いて「姚萇は無道で、さきに天子(苻堅)を害し、今は皇后を辱めようとしています。皇天后土、どうかご覧にならないでいただきたい!(1)」といった。姚萇は怒って、彼女を殺した。

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